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2019.01 子どもとあそび「いのちの根っこをはぐくむあそび~乳幼児の育ちを科学する~」

公開日:2023年03月17日 最終更新日:2023年07月21日
登録元:「MY浦安 運営事務局

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あそびラボ「いのちの根っこをはぐくむあそび~乳幼児の育ちを科学する~」取材レポート

浦安市こどもの広場では、乳幼児の保護者を対象に、こどもの育ちにおけるあそびの重要性について考える「あそびラボ」を実施しています。

平成30年12月4日のあそびラボは、講師に特定非営利活動(NPО)法人『プレーパークせたがや』理事や特定非営利活動(NPO)法人『日本冒険遊び場づくり協会』評議員をつとめ、40年近くにわたり、あそびやこどもの育ち、子どもを取り巻く大人を見てこられた天野秀昭先生をお招きして「いのちの根っこをはぐくむあそび~乳幼児の育ちを科学する」をテーマに、青少年館で開催されました。

今回の情報局では、その講演の内容をご紹介します。

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会場にはイス席の他に、親子で座ったり、子ども達がおもちゃであそべるマットが敷かれたスペースも用意されていました。会場には、ママと子どもだけではなく、パパの姿もあり、先生のお話にうなずいたリ、メモを取ったり、と熱心に耳を傾ける参加者の姿が見られました。

【外あそびと子どもの発達】

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天野先生の講演は、先生が関わっておられる都内のプレーパークでの、さまざまな年齢の子ども達の様子が会場のスクリーンに何枚も映し出され、それについて先生が説明するという形で始まりました。
「釘ぬきでくぎを打つ男の子」「高さの違う木製倉庫の上に立つ子どもたち」「丸めたゴザでチャンバラごっこをする子どもたち」「竹を使って何かを作っている高校生の男の子」など、どれも子どもたちが夢中になったり、楽しそうに過ごしている様子です。

「本当はかなづちが使いたかったけれども、誰かが使っていたため、この2歳の男の子は、釘抜きを代用することを自ら考えつきました。」
「子どもからみると、倉庫も遊具になります。子どもは自ら大きな怪我をするようなあそびはしたがりません。それぞれ自分が飛べると思える高さの倉庫から飛ぶのです。」 「ゴザを丸めたチャンバラです。ゴザでも体に当たれば結構痛いものです。ゴザ同士をぶつけ合うときは本気ですが、体に当たりそうな時は加減します。子どもはあそびながら手加減することを覚えていきます。」

「高校生ともなると木工で大きめの遊具も作れるようになります。自分が作った遊具が小さい子から喜ばれるということは、世間的にはまだ守られる場面が多い高校生にとって、自分は役に立っているという『社会的有用感』が育ち、『自己肯定感』が高まります。」

それぞれの画像を見ながら先生が、場面ごとの子どもの育ちについて具体的に説明してくださいました。

【あそんで育つ「遊育」とは】

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天野先生は「遊育」という言葉をかかげて活動されています。

屋外には、天候や気温、自然といった人間の力ではどうにもならないものが存在し、子どもたちは、その中で「どろどろ、ぬるぬる、ベタベタ」といった感覚が得られるあそびを楽しみます。それは、子ども自身の脳が刺激を受け、発達したがっているからで、こうしたさまざまな刺激を受けることで、本能や自律神経をつかさどる大脳辺縁系が発達していくとのことでした。

子どもは自分の意思でやってみたいこと、楽しいことを見つけ、自ら「あそび、育つ」ことで、生きている実感、心の痛みや喜び、快不快を感じるのだそうです。その中で、自律神経や免疫系、内分泌系が活発に機能し、心の中に感情や情緒がはぐくまれ、子ども自身のアイデンティティの確立・生きる力の獲得へとつながっていくとのことでした。

【こどもにとって「あそび」とは】

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では具体的にあそぶ、とはどういうことなのでしょうか。 「おにごっこ」や「ままごと」など名前のある「あそび」だけがあそびではないのだそうです。子ども自身が楽しいと思ってやる行動すべてが「あそび」になるということです。走ったり飛んだり転んだり、赤ちゃんにとっては寝返りをすることもあそびだそうです。 「そばにいる大人は、『今、この子はあそびながら育っているのだ』という目線で、その子の世界を見守っていてほしい。」と、講演の最後におっしゃっていました。

【参加者からの質問】
講演後には、参加者との質疑応答があり、天野先生は、ご自身の体験談も交えながら保護者の疑問に、答えてくださいました。

Q. 公園に行くのですが、砂を食べちゃいます。病気にならないか心配です。
A. 子どもは砂を口に入れるだけで、食べないので大丈夫です。無菌状態で生まれてくる赤ちゃんは外部から菌を接種しながら免疫力を高めています。よっぽどのことが無いかぎり日本では感染症にかかる恐れはありません。

Q. 子ども同士のトラブルに介入したくないのですが、他のママの目線が気になってしまいます。
A. 子どもはトラブルを起こしながら自らコミュニケーションを学んでいきます。大人が介入してしまうと学ぶ機会を失ってしまいます。周りにいるママに、事前に介入しない方針だということを話してみるのはいいかもしれませんね。「実は私もそうなんです」という方が案外おられるかもしれませんよ。私が子育て中に公園でそう言ったら、その場にいたママ全員が「自分もそうです。介入したくないけど周囲の方の気持ちがわからないので…」と言われました。子どもの育ちを考える時、保護者同士のコミュニケーションも重要ですね。

【講師紹介】

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天野秀昭氏 フリーランスプレイワーカー/プレイワークトレーナー

一般社団法人『プレイワーク協会』理事
特定非営利活動(NPО)法人『プレーパークせたがや』理事
特定非営利活動(NPО)法人『フリースペースたまりば』理事
特定非営利活動(NPO)法人『園庭・園外での野育を推進する会』理事
特定非営利活動(NPO)法人『日本冒険遊び場づくり協会』評議員
公益社団法人『こども環境学会』評議員

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